家が建てられない土地でお困りだったケース

E様のご自宅は、道路と敷地が接している幅が2m未満の旗竿地(はたざおち)でした。

旗竿地とは道路から極端に細い通路が延びた場所に建てられ、且つ四方が別の不動産に囲まれている土地のことを言います。

正方形や長方形の整形地に対して不整形地の一種となっており、まるで竿に旗を付けたような土地であることから、旗竿地と呼ばれています。別名、旗竿敷地・敷地延長と表現される場合もあります。

旗竿地は都心部などに見られる土地形状です。都心部で目立つ理由は限られた土地の中で、より多くの住宅を建てる方法として活用されていたからです。

しかし現在の建築基準法では、道路と敷地が2m以上接していないと新たに建物を造る事はできません。

建築基準法について

建築基準法とは建物の建設をする上で守るべきルールのことです。建築基準法は建物だけでなく敷地面積や内装設備、利用する用途など様々な物が対象に含まれています。新たに住宅を建てる場合には事前に地域を管理する自治体に書類を提出して許可を貰わなければいけません。建築は申請時の内容通りに行いますが、作業中に測量計算のミスが見つかり急遽構造を変更した結果、ルールに違反してしまうケースもあります。建築基準法に違反していることを知らずに中古物件を購入してしまうと自身が直接建設に関与していなくても処罰の対象になるので注意が必要です。また、中古物件を購入して内装のリフォームを行う時にも増築に関する制約が課せられることがあります。

今回E様は長年生活されてきたご自宅の経年劣化が目立ち、メンテナンスする箇所が増えてきたことに加え、ご職業柄、書籍が非常に多いという理由から2階建て住宅から3階建てへの変更をご検討中でした。

そこでWebで見つけて興味を持ったハウスメーカーに建て替えの相談に行ったところ、自宅が建っている土地は旗竿地だという指摘を受け、再建築ができない事実を知りました。

建築基準法は時代と共に改訂されるため、以前は住宅が建てられた土地でも、現在は建てられないというケースがあり、E様はこれに該当するケースでした。

旗竿地ように建物の再建築が不可能な場合、室内をきれいに整える方法はリフォームあるいはリノベーションするしか方法はありません。

そのためE様がご希望されていた「建て替え」という方法は出来ないご状況でしたため、その事実を知った時は、相当ショックだったそうです。

隣地の一部を購入して土地を拡張することで再建築がOKに

旗竿地のままでは再建築ができないと理解されたE様は、長年親しくされていたお隣にお住まいのF様に隣地を1mだけ譲ってもらえないかと相談を持ちかけました。

F様のご自宅は広い上、E様邸に面している土地は使われておらず、雑草の手入れが大変だということを聞いていたからです。

後日E様の事情を知ったF様は「雑草の手入れが省けるのなら、うちとしても助かるので是非買っていただきたい」と、快く個人売買することに合意して頂けたそうです。

契約書作成プランをご利用いただきました

お二人の間で売買することのご意向がまとまった時点で、当社にご相談いただき私たちは契約書の作成のみお手伝いさせて頂きました。

本件は土地の一部のみのご契約であることから、住宅ローンは利用せずに一括払いでのお取引となりましたが境界の変更が生じること、そしてこれからもお隣同士でのお付き合いが続くことから、しっかりとした契約書を作ってほしいというご意向がお有りでした。

当社としても、取引対象の不動産がどんなに小規模であっても、ご自分たちで契約書を作るのではなく専門家が作成した不動産売買契約書を用意することをおすすめしています。

契約を締結した後は、測量を行った敷地を境界線から1mで分筆しました。測量については、F様のお知り合いに依頼したいとのご希望がありましたので、こちらについてはF様から直接お話をしていただきました。

そして、その情報を受け、不動産売買契約書を作成いたしました。

旗竿地の個人間売買成立後、新築戸建を建てることができました

土地の文筆と契約がすべて完了後、E様は新しい住宅に建て替えられ、現在は快適な暮らしを送られているそうです。

E様にお話を伺うと、一連のやり取りを行う中でF様とのお付き合いもより深まったそうで、その点においても良かったと仰っていたのが印象的です。

お二方共に良いお取引ができたと大変喜んでいただけ、私たちもうれしい気持ちでいっぱいになりました。

その他・旗竿地の個人間売買のご相談事例

相続した旗竿地の実家をリフォームして住んでいましたが、急遽海外赴任が始まり、2年ほど賃貸物件として知人に貸し出しています。しばらく海外から戻る予定もないため、現在住んでいる知人の希望もあり、このまま売ろうと思っています。知人には旗竿地の特性やリスクなどを伝えているつもりですが、どこまで理解できているのか分からないので、きちんと書面に残しておきたいです。契約書作成をお願いします。

お隣の家の持ち主がお亡くなりになり、相続された息子さんから相続物件の解体費用は持つので、土地を買わないかと打診されました。今住んでいる家が旗竿地なため、手狭なことと物件の古さ、そして日当たりの問題から購入後の建て替えを前向きに考えています。ただ、相続物件との取引のため、先方のご親戚とのトラブルが発生しないように、いろいろとサポートしていただきたいと思っています。また、お隣の土地の購入にくわえ、建て替えに発生する費用もすべて住宅ローンを利用したいのですが、このようなことは可能なのでしょうか。

いずれも当社の個人間売買サポートで対応可能です。ぜひご相談くださいませ。